ヘドニック・トレッドミル現象~幸せと感じる時間~
2015/07/02
井上陽水の歌に「限りない欲望」というのがあります。
子供の頃、欲しくて欲しくて、やっと買ってもらった「白い靴」
お気に入りで、どこへ行くにも履いていた。
ある日、街におつかいに行って、靴屋で素敵な「青い靴」を見つけた。
今度は、その青い靴が欲しくなる。
素敵な彼女ができる。
何年か付き合って、結婚へ・・・
結婚指輪を交わすときに見た彼女の指が
見飽きたようでいやになる。
この歌を、中学生くらいの時に初めて聞いて
「限りない欲望」にすごく納得しました。
子供の頃から、欲しいものが次々出て来て
お誕生日などに買ってもらえる約束をしたら
嬉しくて嬉しくて、その日を指折り数えて待ちました。
買ってもらった時が感動マックスで
しばらくは嬉しさが続くのですが
次第に飽きて見向きもしなくなる。
その時には、もう別のものが欲しくなっている。
本当に人の欲望は限りないな~って感じます。
「もし、○○○になれば、とても幸せ!」
手に入らない時には○○○さえ手に入れば
ず~っと幸せが続くように感じます。
ところが、実際に手に入れてしまうと
最初は感動して幸せ感に包まれるのですが
しばらくすると、感動は薄れ
当たり前のようになり
そのうち飽きてくる。
このような現象を心理学では
ヘドニック・トレッドミル現象と言います。
あなたにも心当たりがありませんか?
望んで自分のもとにやってきたものなのに
しばらく経つと、それほど感動しなくなり
さらに別の、もっともっと欲しいものができる。
年収が1000万円になれば幸せになれる。
実際1000万円の年収になると、しばらくは嬉しいが
慣れてしまい、年収1200万円を求める。
今、2DKで50平米のマンションに暮らしていて
80平米のマンションが欲しい!
頑張って80平米のマンションに引っ越しても
しばらく経つと、その広さに慣れて当たり前になり
引っ越した時の幸福感は薄れ、もっと広い住まいを求める。
限りがないのです。
向上心を高めたり、自己スキルアップにおいて
どんどん上を目指すのは素晴らしいことですが
お金や物、時には人に「ヘドニック・トレッドミル現象」が
起こると、身近な幸せが目に入らなくなってしまうかも。
今日一日で幸せだと感じたことへも
感謝できる毎日を送りたいです。